
本日ご紹介する上田毅八郎氏の作品は、油彩画「越前海岸風景」です。
越前海岸は日本海に面し、福井県敦賀市杉津から北の東尋坊まで続く雄大な海岸線です。
その中央に位置する越前岬を西端として、「く」の字に突き出した独特の地形を持ちます。隆起海岸による奇岩や断崖絶壁が連なり、荒々しい日本海の波と激しくぶつかり合う光景は、まさに大自然の迫力そのものです。
上田毅八郎氏が描いた本作「越前海岸風景」では、打ち寄せる波が断崖へと押し寄せ、砕け散る瞬間が見事に表現されています。岩に衝突する荒波の轟音や水しぶきが、画面から迫りくるかのように迫力を放ち、鑑賞者を圧倒します。
また、海の色彩表現も秀逸で、深い青から浅い青へのグラデーションが描き出され、波のダイナミックな躍動感とともに、日本海の底知れぬ深さや静謐さをも感じさせます。まさに自然の力強さと荘厳さを一枚に閉じ込めた名品といえるでしょう。