
本日ご紹介する海洋帆船画家・上田毅八郎の作品は、油彩画「Chipperkyle」です。
Chipperkyleはイギリスで建造され、主にリヴァプールとハンブルクを結ぶ航路を担った帆船であり、当時の英国経済に欠かせない羊毛や移民を運搬する重要な役割を果たしていました。
特に積荷として扱われたイギリス羊毛(ブリティッシュウール)は、世界的にも希少価値の高い素材であり、弾力性や耐久性に優れ、当時から高額で取引される重要な産品でした。そのような英国を象徴する貴重な品を託されるにふさわしく、Chipperkyleは堅牢さと信頼性を誇る船として重宝されました。
海洋帆船画家・上田毅八郎氏の「Chipperkyle」では、荒れ狂う波に翻弄されながらも、船体をしっかりと保ち進み続ける姿が描かれています。今にも飲み込まれそうな海の迫力と、それに抗う帆船の力強さが対比され、まるで英国の誇りと使命感を象徴するかのような作品に仕上がっています。