
本日ご紹介するのは、海洋帆船画家・上田毅八郎による油彩画「BREMERHAVEN PORT(ブレーメルハーフェン港)」です。
ブレーメルハーフェンはドイツ北西部に位置する湾岸都市で、古くから重要な港湾・文化拠点として発展してきました。
20世紀中頃までヨーロッパ最大級の港として、ドイツ経済を支えただけでなく、19世紀にはヨーロッパ最大の移民出発港としても知られています。アメリカ、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリアなどへの移民船が数多く出港し、逆にドイツへ向かう移民船も到来するなど、まさに文化交流のクロスポイントでした。
現在のブレーメルハーフェンには、ドイツ船舶博物館(Deutsches Schiffahrtsmuseum)やドイツ移民ハウス(Deutsches Auswandererhaus)、気象ハウスなど、歴史と文化を伝える建造物が並び、港町の象徴的存在となっています。
上田毅八郎の「BREMERHAVEN PORT」では、美しい湾岸に複数の帆船が静かに停泊する情景が、緻密かつ繊細な筆致で描かれています。夜明け前の幻想的な光景は、海上での帆走とは異なる帆船の静謐な魅力を際立たせ、鑑賞者を魅了します。